Birthday Card 4
そのカードは水色で、ペンキで塗ったかのような独特の手触りがした。
誰かがその素材を選んで書いたのだろう。悟浄の頭の中をそういうキッチュなものが好きそうな人リストがよぎっていった。
しかし、先ほど悟浄は思ったばかりではないか。
絶対にこれは誰かが謀って書いているのだと。
となると、選択肢がいきなり大幅に広がってしまうと悟浄は思った。
こいつとみせかけて実はあいつなどちうことを思いつかれそうでたまらない。
「当店は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」
黄色の文字が、悟浄をほんの少しだけ安心させた。とりあえず「ご承知」したことにして、悟浄はずんずんレストランの内部へと歩みを進めた。