| 再び、満月の夜に |
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| 秋の夜の薄野原にふたりきり 眠る子猫のごとき満月 |
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| 暖かきウイスキー飲む君の肌月の光のコロンをつけて |
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ちょうどよく酔ったふりして君の肩もたれる口実 月にはウサギ |
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| 夢の縁渡りはじめる君の手のマグカップひとつそっと地に置く |
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無防備に眠れる君の唇を奪ってみたい今宵は満月 |
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| 「風邪引くよ」なんて優しいふりしつつ勇気のなさが少し悔しい |
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| すすき見て飲みしビールの泡のごと言葉は散りて沈黙の一瞬 |
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太陽の百分の一の明るさで二人の影を一つにかえる |
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| 傾いた月の光に濡れている君と僕とのぬくもりひとつ |
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| あたたかでやわらかくてこんなに華奢でその君が今僕の手の中 |
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| 「寒いね」ときみがからだを寄せてきた僕で良いならあたためてあげる |
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| 澄んでいたきみの瞳も閉じられてくちびるだけで君を感じる |
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| 入らないジグゾーパズルのひとかけら 君の部屋にて立っている僕 |
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| 哀しみと君を縛りしものすべて今宵の僕が溶かしてあげる |
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語彙もない辞書も持たない言葉では伝えられないだから抱きしめる |
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| 柔らかき頬を染めつつ目を閉じて生まれたままの姿となる君 |
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| セーターのかわりに君を包み込む夜のとばりと僕の両腕 |
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うわごとのように僕の名繰り返す大丈夫だよ、一緒にいるよ |
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| かつて二つに別れし君にもう一度巡り会えたよ 潮満ちるごと |
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肩に顔あずけて眠る君をみた。窓ガラス白く凍りつく朝 |
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| 目覚めればカーテン透かす朝の陽が照らしておりぬ君の寝顔を |
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いちまいの毛布はすこしきゅうくつでそんなりくつで君だきよせる |
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目覚めればいつもの窓は青空の君を迎えにゆく朝が来て |
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関口健一郎氏＆ＫＡＲＩ−ＲＩＮＧ
ＳＰＥＣＩＡＬ ＴＯＰ